高濃度ビタミンC点滴療法を行っております
お知らせ 2022.09.12
当院では高濃度ビタミンⅭ点滴療法を行っております。
人の病院でも様々な疾患に適応されていますが、高濃度ビタミンCはとりわけがんの進行予防に効果的であると考えられています。
世界で最初の臨床論文は1976年にノーベル賞受賞博士のライナス・ポーリング氏により末期進行がんの患者に点滴でビタミンCを投与したところ生存期間が4.2~6倍延長したという報告でした。
2005年には高濃度のアスコルビン酸は選択的にがん細胞を殺すということがアメリカ国立衛生研究所、アメリカ国立がん研究所、アメリカ食品医薬品局により発表されました。
ビタミンCの抗がん作用
通常ビタミンC は抗酸化作用を有しますが、高濃度のビタミンCを血管内に投与すると逆に酸化作用を発揮し、生体内で多量の過酸化水素を発生させます。正常な細胞は中和控訴を持っており全く影響を受けないが、がん細胞に取り込まれるとDNA、解糖系、ミトコンドリアを阻害しATP合成を抑制し、がん細胞を死に至らしめると考えられています。
高濃度ビタミンC点滴療法は副作用のほとんどない抗がん剤といえます。
がん以外の適応症例
椎間板・関節疾患
アトピー性皮膚炎・アレルギー疾患
感染症
慢性肝疾患、軽度の腎疾患、消化器疾患
老齢疾患・アンチエイジング
健康維持・QOL改善
高濃度ビタミンC点滴療法の開始にあたって
・基礎疾患の検査・腫瘍の種類や進行度について精査いたします。
・高濃度ビタミンCの重篤な副作用である溶血発作を防ぐために、伴性劣性遺伝子G6PD欠損症の検査を必ず受けていただきます。
高濃度ビタミンC点滴療法の禁忌
・G6PD欠損症
・高度の腎不全
・活動型心不全
・末期がんに関しては禁忌ではありませんが適応外となります。
高濃度ビタミンC点滴療法のプロトコール
最初の2~3か月は週に2回、その後有効の場合は1週間に1回位の投与となり、血液中のビタミンC濃度を測定しながら徐々に投与間隔をあけていきます。決まった方法はありませんので飼い主様の仕事、経済的な理由を考慮し進めていきます。
ビタミンC製剤について
当院ではマイラン社製の注射用ビタミンCを使用しています。国産のビタミンC製剤は防腐剤を使用しているため、防腐剤フリーの輸入製剤を使用します。
在宅で行うことが可能な治療です。